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齢60を迎えて

[2020.07.26]

我々人類の小賢しい抵抗をあざ笑うかのように、新型コロナウイルス感染症の勢いが止まりません。

第一波の時のように人の動き、経済を止めるわけにもいかず(本当に第一波が収まっていたのか不明ですが)、今はただお願いするしかありません。

何の補償も根拠もない要請では、正直者が馬鹿を見ることになってしまわないでしょうか? わざと後手後手に立ち回っているように思えてしまうのは、私だけでしょうか?

今更この場にて疫学・感染症学的なうんちくを述べるつもりはありません。各方面の専門家の方々が様々な意見を述べておられますので、この場においては2020年(令和2年)の前半の私個人的な出来事を書いてみたいと思います。

私、本年3月に齢60還暦を迎えました。

昨年より中学時代(帝塚山学院男子部今はもうありませんが)の記念同窓会を予定していました。一学年一クラスの小世帯40名の中学校でした。

連絡先の確認、担任の先生(3年間持ち上がりです)の予定、日時場所の選択(座敷はしんどいのでいす席等リクエストもあり)、開宴時間、2次会の設定をし、4月4日(土曜日)を楽しみにしていたのですが、いよいよ世間があやしくなり始め、まだ緊急事態宣言の前でしたが、急きょ延期仕切り直しとなりました。

また知り合いからお祝いを頂いたりしていたので、お返しの会を考えていたのですが、これもまたしばらくお預けとなりました。

日常生活でも、近所のジムがお休みとなり、普段お世話になっている合氣道の稽古も自粛となりました。すっかり運動不足となり、取り戻すのが大変です。

二か月ほぼ軟禁・蟄居閉門状態?で過ごしましたが、診察はそのまま続けていました。

私自身、加えてスタッフへの感染が一番危惧されましたので、ビニールシートでシールドしたり、換気をこまめにしたり、室内の清拭をまめに心がけたりしていました。医師ではありますが、個人事業主・雇用主としても神経を使う毎日でした。

当初はビフォーコロナ、アフターコロナと言われていましたが、今ではウイズコロナと言われています。しばらくは劇的な発見・知見は見いだせないかもしれません。万物の長と少し思い上がっていた我々人類に、自然界がお灸を据えているのかもしれません。

このコロナ禍をきっかけに、今後は様々な変化が起こるのではないでしょうか?

実際メーカーさんの訪問はなくなり、研修会・勉強会・学会も延期、中止になっています。営業活動しなくても…学会・研修会に協賛しなくても…と、費用対効果を考え直しているのではと考えてしまいます。もっとも、多すぎる学会にも問題があると思うのですが。

医師として35年、開業医としても25年以上経ちましたが、年々変化が大きく且つ早くなるように感じ、反対に私自身の様々な事務処理能力の低下を日々自覚しています。

最近、若いころお世話になった先生方が亡くなられたり引退されたりと寂しい限りですが これも私が齢を重ねてきたということでしょうか。もう25年開業医を続けることができるか自信はありません。この日はこれだけ仕上げようと考えていても、八割ぐらいでもいいかと考えています。少し怠け者になってきたように思えます。

色々と予定や段取りを改めて考えていると頭の体操になるのではと思っています。

ウサギの走りよりカメの歩みで還暦後の生まれ変わりを一歩ずつ足元を確認しながら日々過ごしていきたいものです。

川﨑耳鼻咽喉科 川﨑 薫
令和2年7月吉日

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