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和の心 和装 粋に着こなせるようになるまで~箪笥の肥やしになったままでは悔しいので

[2017.06.30]

思うところがあって、数年来、秋冬の季節は和装(羽織 袴)が外出のファーストチョイスになっています。振り返ってみると以前は和服姿をよく見かけたと思いますが、それは私だけでしょうか?

私たちが小中学校の頃、父兄参観日、入学式等には、母親が着物で出席していました。クラスに何人かは和服姿であったように記憶しています。休日には、自宅で親父も着物姿が多かったと思います。ただ箪笥から出してきて用意をして着付けて出かけ、用事が済めば吊してしわを取り、たたんで畳紙に入れて箪笥にしまいます。防虫剤も昔ながらの樟脳が似合っているのではないでしょうか。どうしてもその一連の過程が面倒だ!邪魔くさいなとなってしまいます。

今回は男性、秋・冬・春もの限定で書いてみます。女性の着物につては後日しっかり勉強してから。男性ものについても自学自習です。その点はご容赦ください。

洋装にも普段着、スーツ、略礼服、礼服等ランク分け、素材には、ウール、シルク、麻、綿等様々ありますが、和装にもランク・様々な素材があります。

最近は町中では見かけなくなりましたが、いわゆる着流しスタイルはジャケットにノーネクタイでしょうか。私は裾さばきが上手でないので基本的に袴をつけるようにしています。

素材的には、綿、ウール、麻、絹とあがっていきますが、麻素材でも上布と呼ばれるもの、人間国宝の作品など高級品はきりがありません。

オーダースーツでは色、柄を後から染めるということはありませんが、和服の場合、先染めと後染めがあります。何々友禅と呼ばれる女性ものが後染めの代表です。こちらにも著名な作家さんの作品があります。

男性ものは先染めです。今回は絹(正絹)素材を前提に話を進めていきます。絹素材の中でも紬―お召し―羽二重の順位があり 紬はその名の通り糸を紡いで染め上げ反物に織り上げます。よく知られているところでは、大島紬、結城紬等で長着、羽織、袴を仕立てていきます。

私が医師会等の行事に最も着用頻度が高いものです。それぞれ長着、羽織、袴の色柄を組み合わせると、手持ちが少なくても物持ちのように見えます。ジャケットにネクタイというスタイルでしょうか。

一つランクがあがると(着物の値段のことではありません)、お召しの着物になります。その名称は十一代将軍徳川家斉が好んでお召しになったことから由来しています。お召しの長着、羽織(背中に縫い紋一つ)、袴 なら略礼服に相当し、結婚式もOK。紬の着物にお召しの羽織なら、ちょっとしたパーティーでも。

羽二重の代表は、男の黒紋付きになります。白の羽二重を染め五つ紋に、仙台平の縞袴を合わせると天皇陛下の前で勲章をいただくとき、大関が横綱に昇進するとき使者のでんたつを受けるとき等で有名です。男性の第一礼装です。いろいろ決まりがあり、白足袋、白襟、羽織紐、雪駄等、洋装のモーニングを連想してください。

実際縞袴の縦縞模様はモーニング用のズボンの柄をイメージしていると言われています。昔から決まっていたのではと思われるかもしれませんが、明治になってからでモーニングのズボンを見て生地のしっかりした仙台平があっていたのではないかと・・・江戸時代は裃に長袴が節の正装でした。

ちなみに下着はふんどしでもノーパンでもありません。いわゆるステテコ 肌着です。

これから叙勲の予定のある先生は検討されてはいかがでしょうか。

女性の着付けは上から下まで一人でするのはきちんと教えてもらわないと難しいですが、男性の着付けは教本とDVD見ながらで学習できます。

細かいところは最初の内は皺がよったり 結び目がきれいでなかったり 帯の羽の形がいまいちだったりとか、「気に入らないな~」、「気になるな~」とかありますが、慣れてくるとさして時間もかからず、「よし!」と自己満足に近いところまでもっていけます。

袴をつける方が和装のランクがアップしますし、歩きやすいので私的にはおすすめです。

ただし、着物には苦手があります。一つ、雨降り。私は天気予報をしっかり参考にします。二つ、階段上り下り(なるべくエスカレーター、エレベーターを利用します)。三つ、お手洗い(ひたすらたくし上げて)やっぱり少し不便ですかね?

日常着用するわけではないので、気分を変えたいとき、帯をしめて袴ひもを結ぶと気持ちも引き締まったような感じになります。武道においても同じような気持ちです。

お持ちの方は是非(箪笥の肥やしはもったいない!)、これから始めてみようと考えておられる方は、スーツをオーダーするような気持ちで挑戦されてはいかがでしょうか。デパートの呉服ははぼ女性のものしか表に出ていません、尋ねるとびっくりするような品をだしてきたり、お取り寄せとか言われます。ネットで検索するのも面白いです。

男の着物・・以前はナビオ阪急に銀座もとじ、男物専門店が入っていたのですが、残念ながら撤退しました。

京都には数件あります。私のおすすめは、えいたろうや(飴屋さんではありません)です。京都漫画ミュージアムの近所です。何かのついでによってみて下さい。

今年は夏物にも挑戦してみようかなと画策しています。根っからの汗かきなので、手入れが大変と二の足を踏んでいます。

副題にもあげましたが、着なくなった、着れなくなった服、その他収集品等、人間60年近く生きていると、自然と物が増えます。

自分には宝物でも家族には ・ゴミ・と思われているかも。次回は、断捨離・整理整頓で一筆考え中です。

    川﨑耳鼻咽喉科 川﨑薫
                 平成29年6月28日

 

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